『金持ち父さん貧乏父さん』で変わった家計の見方|リボ払いから抜け出した私の実体験
2026-06-29 更新 ・ 約9分で読めます
20代の私は、クレジットカードのリボ払いで、とんでもない額の借金を抱えていました。毎月返しているのに元金がほとんど減らない——あれは本当に苦しい時期でした。そんな私を底から引き上げてくれたのが、ロバート・キヨサキの『金持ち父さん貧乏父さん』という一冊です。この記事では、借金まみれだった私が「お金を守り、増やす」側に回るまでに実際にやったことを、自分の体験ベースでお話しします。
この記事でわかること
リボ払いの借金から抜け出した私の実体験/『資産』と『負債』の決定的な違い/「借金を返す→守る→貯める→増やす」の具体的な手順。投資の専門知識がなくても読めます。
※この記事は、私個人の体験と一般的な家計改善の考え方をまとめたものです。特定の金融商品への投資や契約をすすめるものではありません。
なぜ働いても働いてもお金が残らないのか
当時の私は「収入が増えればお金は自然に貯まる」と思っていました。でも、リボ払いの返済に追われている限り、いくら稼いでも手元には残りません。利息という形で、毎月お金が静かに出ていくからです。『金持ち父さん貧乏父さん』では、収入も支出もいっしょに増えて永遠にゴールへ着けないこの状態を 「ラットレース」 と呼びます。私の場合は、そこに高金利の借金まで乗っていた——いわば回し車を、おもりを背負って走っているような状態でした。
問題は収入の「額」だけではなく、お金の流れを自分で把握・設計できていなかったことでした。蛇口を大きくしても、栓が抜けたままなら水は溜まりません。
きっかけは、YouTubeの本紹介動画だった
その本を知ったきっかけは、たまたま流れてきたYouTubeの『金持ち父さん貧乏父さん』の概要紹介動画でした。10分ほどの要約を見ただけで頭を殴られたような感覚になり、その日のうちに本を買い、家計簿と借金の利息を書き出すところから始めました。いま振り返ると、私にとって大きかったのは、知っただけで終わらせず、その日のうちに動き始めたことでした。もちろん収入や家庭環境によって難易度は変わります。それでも、知ったあとに小さく動けるかどうかで、お金の流れは少しずつ変えられます。
本が教えてくれた「資産」と「負債」の違い
本を読んで一番ガツンと来たのが、『資産』と『負債』の定義でした。会計の難しい話ではありません。拍子抜けするほどシンプルで、こうです。
資産と負債の、たった一つの見分け方
資産=あなたのポケットに「お金を入れてくれる」もの。負債=あなたのポケットから「お金を奪っていく」もの。持ち物が資産か負債かは、名前ではなく“お金の向き”で決まります。
この物差しで自分の持ち物を見直すと、「資産だと思っていたものが、実は負債だった」ことに気づきます。そして当時の私が抱えていたリボ払いの借金は、毎月利息という形でお金を奪い続ける、もっともコスト負担の大きい「負債」 でした。一方、コツコツ積み立てる投資や、利息を生む預金、自分で稼ぐ力を高めるスキルは、お金を運んできてくれる『資産』です。
| 持ち物・支出 | お金の向き | 分類 |
|---|---|---|
| リボ払い・カードローンの残高 | 毎月、高い利息が出ていく | 最優先で解消すべき負債 |
| 生活に必要以上の高級車・買い物ローン | 毎月出ていく | 負債寄り |
| 使っていないサブスク・払いすぎの保険 | 毎月出ていく | 負債寄り |
| NISAで積み立てる低コスト投信 | 長期で育つ | 資産寄り |
| 生活防衛資金としての預金 | 守ってくれる・利息 | 資産寄り |
| 自分のスキル・お金の知識 | 稼ぐ力を生む | 最強の資産 |
私なりに本の中心をひとことでまとめると、「お金に困らない人は資産を買い、困る人は“負債”を資産だと思い込んで買ってしまう」。この考え方が、私の買い物の基準そのものを変えました。何かを買うとき、「これはお金を運んでくる側か、奪っていく側か?」と一拍おいて考えるクセがついたのです。
私が実際にやった手順(順番が9割)
考え方が変わっても、いきなり投資から始めるのは危険です。私が実際にやった順番は、まず借金(マイナス)をゼロに戻し、それから「守る → 貯める → 増やす」。地味ですが、この順番を逆にすると、たいてい失敗します。
ステップ0|まず「マイナス」を消す(高金利の借金を返す)
私が本を読んで最初にやったのは、投資でも貯金でもなく、リボ払いの借金を全力で返すことでした。理由はシンプルで、リボ払いやカードローンの手数料・金利は実質年率15〜18%前後に及ぶことも多く、元本保証のない投資で安定して上回るのは難しい水準だからです。つまり高金利の借金を返すことは、その利息負担を確実に減らせる、もっとも手堅い一手でした。だから私は、確実なコスト削減を最優先する観点から、投資より先に返済を優先しました。
- 対象は、リボ払いやカードローンなど“高金利”の借金。住宅ローンや奨学金のような低金利の借入まで、一律で急いで返す必要はない
- 返済中は、新たなリボ払い・分割払いを増やさない
- 高金利の借金があるうちは、私なら新規の投資より返済を優先する(すでに企業型DCやNISA等を使っている人は、税制メリットや解約可否も踏まえて判断を)
ステップ1|「漏れ」をふさぐ(守る)
借金を消したら、次は毎月静かにお金を奪っている“負債”を止めます。私が手をつけたのは固定費でした。固定費は一度見直せば効果がずっと続く、いわば 「自動で効く節約」 だからです。
- スマホを大手キャリアから格安SIMに変えて、月数千円ダウン
- なんとなく続けていたサブスク・使っていない保険を解約
- 電気・ガスの契約プランを見直し
- クレジットカードの年会費が、特典に見合っているか再確認
派手さはありません。でも固定費は「今日減らせば、来年も再来年も減ったまま」。私はここで生まれた毎月の“余白”を、次のステップの種銭にしました。
ステップ2|「先に取り分ける」仕組みを作る(貯める)
次に変えたのが貯金のやり方です。昔の私は「余ったら貯金」でした。でも、お金は余りません。だから 「先に貯金して、残りで暮らす」 に切り替えました。『金持ち父さん貧乏父さん』でいう“自分に最初に支払う”という考え方です。
- 給料が入ったら、決めた額を自動で別口座(できれば高金利のネット銀行)へ移す
- まずは生活費の3〜6か月分の“生活防衛資金”を貯める(会社員の目安。収入の波が大きい個人事業主や、扶養家族がいる家庭は6か月〜1年分が目安)
- ここが貯まるまでは投資に回さない(守りの土台が先)
なぜ生活防衛資金が先なのか
投資には必ず値下がりする時期があります。手元に現金がないと、一番下がったタイミングで取り崩すハメになり、損が確定します。生活防衛資金は“あわてて売らないための保険”です。
ステップ3|貯めたお金に働いてもらう(増やす)
守りの土台ができて、はじめて攻めに移ります。ここでようやく 「お金に働いてもらう」 フェーズです。会社員の私が現実的に始められたのは、税制優遇のあるNISA・iDeCoでの積立投資でした。
- 新NISAのつみたて投資枠で、低コストのインデックス投信を毎月一定額
- iDeCoで老後資金を積みつつ、掛金が所得控除になり節税にもなる(2026年12月以降、拠出限度額の引き上げや加入可能年齢の拡大が予定。利用時は最新の制度を確認)
- 商品選びに不安があるなら、おまかせのロボアドバイザーという選択肢も(ただし一般に投資信託より手数料は高めの傾向。手数料や運用方針を確認し、自分で納得できる範囲で)
大事な前提
投資は元本保証ではなく、短期では値下がりもします。この記事は私の体験と一般的な考え方の共有であって、個別の投資助言ではありません。商品選びは必ず最新の情報をご自身で確認してください。
お金がないことの本当の代償は、後から取り返せない
ここで、つい最近の私の話をさせてください。先日、歯医者に行ったところ、治療に20万円以上かかると言われました。でも、いまの私は余裕で払えます。問題はそこではありません。20代のときに1本抜けてしまった臼歯を、当時はお金がなくてそのまま放置してしまったのです。その結果、隣の歯がそこへ傾いてしまいました。治療方針は人によって異なりますが、私の場合は、お金がなくて放置したことで、後から選べる選択肢そのものが狭まってしまった。お金ができた今になっても、あの一本は簡単には元には戻せないのです。
20〜30万円なら、今はポンと出せる。でも、貧乏だった20代の私にはそれができなかった。そして健康やタイミングのように、お金で後から買い戻せないものがある。これが、私がこの記事で一番伝えたいことです。お金の問題を先送りにした代償は、思っているよりずっと後で、思っているより大きな形で返ってきます。だからこそ、皆さんには後悔してほしくない。今日から、自分の財務状況を一つでも良くしてほしいのです。
一番の“資産”は、お金の知識そのものだった
振り返ると、あの本が私に遺してくれた最大の財産は、株でも不動産でもなく 「お金の流れを自分の目で見て、判断できるようになったこと」——金融リテラシーそのものでした。給料の額は誰かが決めますが、そのお金を守り、増やす設計は自分でできる。そう思えた瞬間に、お金の不安はぐっと小さくなりました。
もしあなたが今、かつての私と同じように借金や「働いても貯まらない」状況に悩んでいるなら、難しいことは後回しでかまいません。まずは自分の家計の“お金の向き”を、一度だけ正直に見てみてください。そして——思い立った今日、その一歩を踏み出してください。
マインドの要点(4行で)
①高金利の借金があるなら、何よりも先に返す。②持ち物は“お金の向き”で資産か負債かを見分ける。③増やす前に、まず守って貯める。④何より、思い立ったら今日動く——後悔は取り返せない。
今日からできること
- ☐(借金があれば)金利の高いものから返す計画を立てる
- ☐固定費を書き出して、止められる“負債”を1つ見つける
- ☐給料日に自動で貯金される設定にする
- ☐生活防衛資金の目標額(生活費の3〜6か月)を決める
- ☐土台ができたら、NISAで少額から積立を始める
より客観的に判断したいときは、公的な情報源も役立ちます。たとえば金融庁のNISA特設ウェブサイトやiDeCo公式サイトでは、制度の最新情報や無料の試算ツールを確認できます。中立的な一次情報で裏取りしながら進めるのがおすすめです。
あなたの家計を「守る・増やす」両面で点検
ZaiTechは、固定費・保険・税金で“減らさない”守りと、NISA・カード・銀行で“増やす”攻めを、ひとつのダッシュボードで点検できます。まずは今の家計の“お金の向き”を、今日見てみましょう。
家計の点検をはじめるこの記事が役に立ったら、保存して読み返しましょう。