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年末調整の書き方【令和8年分】|3枚の書類の記入手順と2026年の改正ポイント

2026-08-25 更新 ・ 約10分で読めます

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令和8年分の年末調整も、会社に出す書類は例年どおり3枚です。ただし今年は事情が違います。基礎控除の引上げなどの改正が令和8年12月1日に施行されるため、11月までの給与では減税が反映されず、12月の年末調整で1年分がまとめて精算されます。つまり「12月の書類を正しく書けたかどうか」が、そのまま戻ってくる金額に直結する年です。

まず今年の前提:令和8年分は「12月にまとめて精算する年」

令和8年度税制改正で、基礎控除の引上げ給与所得控除の最低保障額の引上げ扶養親族等の所得要件の改正が行われました。国税庁は、これらが令和8年12月1日に施行され令和8年分以後の所得税に適用されること、そして「令和8年11月までの給与等及び公的年金等の源泉徴収事務に変更は生じません」と案内しています。

毎月の給与からは改正前の源泉徴収税額表で天引きが続き、12月の年末調整で改正後の基礎控除額をもとに1年分の税額を計算し直して差額を精算する——という流れです。例年より還付が大きくなる人が多くなりますが、それは臨時ボーナスではなく、払いすぎていた所得税が戻るだけ、と理解しておくと安心です。

合計所得金額(給与だけの場合の収入金額)改正前(令和8年分)改正後(令和8・9年分)
132万円以下(206万円以下)95万円104万円
132万円超336万円以下(206万円超475万1,999円以下)88万円104万円
336万円超489万円以下(475万1,999円超665万5,556円以下)68万円104万円
489万円超655万円以下(665万5,556円超850万円以下)63万円67万円
655万円超2,350万円以下(850万円超2,545万円以下)58万円62万円

あわせて、給与所得控除の最低保障額が65万円から74万円に引き上げられました。給与収入がおおむね665万円までの人は基礎控除が104万円になるため、影響を受ける範囲はかなり広い改正です(年末調整で精算されるのは所得税です)。

「今年の書類、去年と違う」のは気のせいではない

令和8年分の様式は、令和8年12月1日以後に行う年末調整で使うものとして作られています。会社が11月中に書類を配って回収するケースもあり、その場合は令和7年分の様式を補正して使うなどの対応が取られます。国税庁も、施行日前に改正を反映した書類の提出を受けても差し支えない、としています。様式の年分や注意書きが会社の説明と違って見えるときは、勝手に直さず担当部署に確認しましょう。

出す書類は3枚(+住宅ローン控除の人は1枚)

書類何のための書類か添えるもの
① 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書扶養控除・障害者控除・ひとり親控除などの申告。翌年分(令和9年分)も同時に配られることが多い原則なし(国外に住む親族の分は親族関係書類・送金関係書類)
② 基礎控除申告書 兼 配偶者控除等申告書 兼 特定親族特別控除申告書 兼 所得金額調整控除申告書自分の所得の見積り、基礎控除・配偶者(特別)控除・特定親族特別控除・所得金額調整控除の申告原則なし
③ 給与所得者の保険料控除申告書生命保険料・地震保険料・自分で払った社会保険料・iDeCoの掛金の申告各控除証明書(ハガキまたは電子データの出力書面)
(+)住宅借入金等特別控除申告書住宅ローン控除の2年目以降税務署から届く申告書と、金融機関の年末残高証明書

②はタイトルが長いので身構えますが、要は「自分の所得」と「家族の所得」を書く1枚です。③は「証明書を見ながら数字を写す」1枚。この役割分担がわかると、迷う時間がかなり減ります。

① 扶養控除等(異動)申告書:今年は「令和8年12月1日 改正」がカギ

  1. 上部に氏名・住所・生年月日などを記入します(マイナンバーの記載要否は会社の指示に従ってください)。
  2. 「源泉控除対象配偶者」「控除対象扶養親族(16歳以上)」「16歳未満の扶養親族」を、続柄・生年月日とあわせて記入します。
  3. 家族の「所得の見積額」は、令和8年中の見込みで記入します。給与だけの家族なら、収入金額から給与所得控除を引いた金額です。
  4. 本人や家族が障害者に当てはまる場合、ひとり親・寡婦・勤労学生に当てはまる場合は、該当欄にチェックと必要事項を記入します。

新しく扶養に入る家族がいたら、この一言を書く

所得要件がゆるくなった結果、これまで扶養から外れていた家族が新たに対象になることがあります。国税庁のQ&Aでは、令和8年分の扶養控除等申告書に記載する事項そのものに変更はないとしたうえで、新たに対象となる親族を書き加えるときは「異動月日及び事由」欄に「令和8年12月1日 改正」などと記載するよう案内しています。

区分改正前の所得要件(給与収入)改正後の所得要件(給与収入)
扶養親族・同一生計配偶者・ひとり親の生計を一にする子58万円以下(123万円以下)62万円以下(136万円以下)
特定親族(19歳以上23歳未満)58万円超123万円以下(123万円超188万円以下)62万円超123万円以下(136万円超197万円以下)
配偶者特別控除の対象となる配偶者58万円超133万円以下(123万円超201万5,999円以下)62万円超133万円以下(136万円超207万円以下)
勤労学生85万円以下(150万円以下)89万円以下(163万円以下)

同じ時期に令和9年分の扶養控除等申告書も配られます。こちらは来年の毎月の源泉徴収に使う書類です。なお、前年に出した内容から異動がない場合には、その旨だけを書く「簡易な申告書」で提出できる仕組みもあります(会社が対応しているかは勤務先の案内によります)。

② 基礎控除申告書ほか:自分の所得の見積りから始める

  1. 「あなたの本年中の合計所得金額の見積額の計算」に、令和8年の給与収入の見込み額と、そこから給与所得控除を引いた給与所得を記入します。
  2. 給与以外の所得(副業の所得や年金など)があれば加えて、合計所得金額の見積額を出します。
  3. その金額から「区分Ⅰ」を判定し、基礎控除の額を記入します。今年は104万円・67万円・62万円のいずれかになる人がほとんどです。
  4. 配偶者がいる場合は、配偶者の所得の見積額を書き、配偶者控除または配偶者特別控除の額を記入します。
  5. 19歳以上23歳未満の親族がいる場合は、特定親族特別控除の欄に所得の見積額と控除額を記入します。
  6. 給与収入850万円超で23歳未満の扶養親族がいる場合などは、所得金額調整控除の欄も記入します。

「見積額」なので、12月の給与が確定していなくてもよい

この申告書に書くのは見込みの金額です。賞与や残業代が確定していない段階でも、直近の給与明細や前年の源泉徴収票をもとに書いて構いません。書いた見積額と実際が大きくずれたときは、年末調整前なら会社に申し出て訂正でき、間に合わなければ確定申告で精算できます。

大学生年代の子どものアルバイト収入は、今年から線引きが変わります。給与収入136万円以下なら特定扶養親族として63万円の扶養控除、136万円超197万円以下なら特定親族特別控除の対象で、収入159万円までは63万円、そこから収入が増えるにつれて段階的に小さくなり、197万円で対象外になります。

③ 保険料控除申告書:令和8年分は「23歳未満の子がいる家庭」に上乗せ

  1. 生命保険料控除の欄に、控除証明書を見ながら「一般」「介護医療」「個人年金」の別と「新契約・旧契約」の別を確認して転記します。ここを取り違えると控除額が変わるので、証明書の表記どおりに書き写すのが確実です。
  2. 地震保険料控除の欄に、地震保険(および旧長期損害保険)の証明書の金額を記入します。
  3. 社会保険料控除の欄には、給与から天引きされていない分——自分で納めた国民年金保険料や、家族の国民年金保険料を負担した分などを記入します(国民年金は控除証明書が必要です)。
  4. iDeCo(個人型確定拠出年金)の掛金は「小規模企業共済等掛金控除」の欄に、国民年金基金連合会から届く証明書の金額を記入します。

令和8年分だけの特例:一般生命保険料控除の上限が6万円に

23歳未満の扶養親族がいる場合、新契約(平成24年1月1日以後に契約したもの)の一般生命保険料控除の適用限度額が4万円から6万円に引き上げられました。令和8年分の所得税に適用され、令和8年度税制改正で令和9年分まで延長されています。ただし、一般・介護医療・個人年金の3つを合わせた限度額は12万円のままです。

年間の新生命保険料(特例の対象になる場合)控除額
30,000円以下支払った保険料の全額
30,000円超60,000円以下保険料×1/2+15,000円
60,000円超120,000円以下保険料×1/4+30,000円
120,000円超一律60,000円

対象は新契約の一般生命保険料に限られ、旧契約だけの人の計算は変わりません。ここでいう扶養親族は、合計所得金額62万円以下(給与だけなら収入136万円以下)の23歳未満の家族です。保険の内容そのものを見直したいときは、商品の良し悪しを自分で判断する前に、公的な情報や有資格者の窓口で一般的な仕組みを確認するところから始めるのが安全です。

つまずきやすいポイント

  • 控除証明書は添付が必要です。電子データで受け取った場合は、二次元コード付きの出力書面か、会社が対応していれば電子データのまま提出します。
  • ひとり親控除の38万円への引上げは令和9年分からです。令和8年分の年末調整では、従来どおり35万円で計算されます。
  • 医療費控除・住宅ローン控除の1年目・ふるさと納税(ワンストップ特例を使わない分)は年末調整では処理できません。翌年の確定申告で申告します。
  • 年の途中で退職や海外転勤があり、令和8年11月30日以前に最後の給与を受け取った人は、改正後の控除が年末調整では適用されません。適用を受けるには確定申告が必要です。
  • 書き間違えたら、二重線で消して正しい内容を書き直せば問題ありません。訂正の作法は勤務先のルールに従ってください。

書類を書く前に、使える控除を棚卸しする

年収と家族構成を登録すると、ZaiTechがあなたに関係する制度(扶養・保険料控除・iDeCo・ふるさと納税・医療費控除など)をまとめて整理します。「今年の年末調整で書ける控除」と「確定申告に回る控除」を分けて確認できます。

節税診断をはじめる

この記事のTODO

  • 10月〜11月に届く控除証明書(生命保険・地震保険・iDeCo・国民年金)を1か所にまとめる
  • 家族それぞれの令和8年の所得(給与収入)の見込みをメモしておく
  • 子どもや配偶者の収入が新しい所得要件に入るか確認し、入るなら申告書に書き加える
  • 23歳未満の子がいる家庭は、生命保険料控除証明書の「新契約・一般」の金額を確認する
  • 医療費控除やふるさと納税がある年は、確定申告の準備も予定に入れる

制度の詳細と最新の様式は、国税庁の年末調整がよくわかるページ各種申告書・記載例令和8年度税制改正による所得税の基礎控除の引上げ等について令和8年4月 源泉所得税の改正のあらまし(PDF)で確認できます。個別の事情に関する判断は、勤務先の担当部署や税務署の相談窓口、税理士にご相談ください。

⚠️ 免責事項

本診断の節税額・適用可否は、ご入力いただいたプロフィールに基づく一般的情報の簡易シミュレーションであり、税務上の助言・保証ではありません。実際の控除額・適用条件は所得・家族状況・各種制度の改正等により変動します。確定申告や具体的な節税の実行にあたっては、必ず国税庁の最新情報をご確認のうえ、税理士等の専門家にご相談ください。

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