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ふるさと納税の新ルール2026|ポイント廃止後の選び方と10月からの改正点

2026-09-25 更新 ・ 約10分で読めます

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ポータルサイトのポイント還元は2025年10月1日に禁止され、2026年9月現在も戻っていません。一方で、制度の本体——実質2,000円・控除上限・ワンストップ特例——は何も変わっていません。つまりいま見るべきは「ポイント何%か」ではなく、上限額・返礼品の中身・寄附金の使い道の3つです。

まず現在地:何が変わって、何が変わっていないのか

項目2026年9月時点の扱い根拠・適用時期
ポータルサイトのポイント付与禁止(復活していません)令和6年総務省告示第203号/令和7年10月1日から適用
クレジットカードの通常決済ポイント対象外(今も付きます)総務省Q&A 問1の3
自己負担2,000円・控除の計算式変更なし地方税法第37条の2ほか
ワンストップ特例(5団体以内)変更なし地方税法附則第7条
返礼品は返礼割合3割以下・地場産品に限る変更なし(地場産品の判定方法は下の行のとおり厳格化)地方税法・平成31年総務省告示第179号
自治体の募集ルール(費用の公表・地場産品の判定)2026年10月1日から厳格化令和7年6月24日告示改正(令和7年総務省告示第220号)

以下、この表の中身を順番に見ていきます。寄附する側の手続きは変わりません。変わるのは自治体とポータルサイト側のルールで、その影響が返礼品のラインナップや必要寄附額に回ってくる、という構図です。

ポイント付与はいつ・なぜ終わったのか

総務省は2024年(令和6年)6月28日、ふるさと納税の対象自治体の指定基準を定めた告示を改正し、「寄附に伴いポイント等の付与を行う者を通じた募集を禁止すること」を決めました。適用は2025年(令和7年)10月1日からです。ポイントを付与するポータルサイトを通じて寄附を募集した自治体は、ふるさと納税の対象団体として総務大臣の指定を受けられなくなります。

背景は、寄附額のうち自治体に残らない部分の大きさです。総務省の現況調査によると、令和7年度は受入額1兆3,314億円のうち募集費用が6,382億円(47.9%)。しかも受入額の97.2%がポータルサイト経由で、サイト運営事業者への支払総額は2,433億円(受入額の18.8%)。返礼品の調達・送付にあたる分を除いても1,490億円にのぼります。ポイント還元の原資も、元をたどれば税金として集められた寄附金です。

クレジットカードの通常ポイントは、いまも付きます

総務省のQ&Aは線引きを明示しています。ポータルサイト運営事業者が直接・間接を問わず寄附者に付与するポイント等は、「マイル」「コイン」など名称を問わず禁止の対象。一方、クレジット会社やキャッシュレス決済事業者が決済に伴って付与する通常のポイントは対象外です。ただし、ふるさと納税の寄附決済だけを対象に上乗せされるポイントは「通常の商取引に係る決済に伴って提供されるものに相当するもの」に当たらない——つまり認められない、とされています。

2026年10月1日から変わること(自治体側のルール)

2026年10月1日に始まる指定対象期間からは、2025年6月24日に公表された告示改正が適用されます。テーマは募集費用の透明化と地場産品基準の明確化の2つです。

  • 募集費用の透明化:前年度に募集費用として同じ相手へ支払った額の合計が100万円以上になる場合、自治体は支払先の名称・所在地・支払額・支払目的を記載した一覧表を、原則として指定対象期間の初日の前日までに公表します。どのポータルサイトにいくら流れているかが見えるようになります。
  • 付加価値基準の明確化:区域内での製造・加工によって「価値の過半が生じている」ことを要件とする返礼品は、付加価値割合を価格に基づいて算出するのが原則になります。加えて、製造者による証明と一般販売価格を、提供開始日までに自治体が公表します。
  • 調達費用の妥当性:合理的な理由なく一般販売価格より高額で調達しないよう、別途通知で求められます。総務省は、6万円で輸入したワインが12万円で納品され、一般顧客には8万円で売られていた例を挙げています。
  • 寄附金活用可能額:寄附金のうち自治体が事業に使える割合を引き上げ、使途も公表します。令和8年度税制改正の内容で、令和8年指定の52.5%から段階的に令和11年指定の60%まで引き上げられます。

寄附する人から見ると、「これまで載っていた返礼品が消える」「同じ品物の必要寄附額が上がる」といった変化が起こりえます。欲しい返礼品が決まっているなら、制度の切り替わりをまたぐ前後で条件を確認しておくと安心です。ただし駆け込みを煽る趣旨ではありません。上限額を超えて寄附すれば、超えた分はそのまま自己負担です。

2026年8月、「コスパ」「家計応援」といった表現に是正要請

総務省は2026年8月20日付で自治体に宛てた通知で、一部ポータルサイトに見られる「コスパ」「特別寄附額」「特別規格」「家計応援」「物価高応援」といった、通常よりも必要寄附額が割安だと寄附者に認識させる表現は募集適正基準に違反するおそれが高いとし、該当する表現を速やかに取りやめるよう求めました。将来的な必要寄附額の引上げを予告して募集することも同様です。なお、違反で指定取消しの対象になるのは、サイトではなく自治体の側です。

ポイントがない前提で、何を基準に選ぶか

  1. 先に控除上限額を確認する。ポイント還元が数%あった頃は多少の計算ミスが吸収されましたが、いまは上限超過がそのまま損になります。年収・家族構成・他の控除を踏まえて、寄附する前に目安をつかんでおきます。
  2. 寄附金の使い道から選ぶ。令和7年度は指定団体の98.2%が使途を選べるようにしており、94.6%は分野の選択に対応しています。子ども・子育て、教育、災害支援など、納得できる使い道を選べるのは制度本来の趣旨に沿った選び方です。
  3. 返礼品は「実際に使う量」で選ぶ。還元率の競争は制度上できなくなっています(返礼割合は3割以下)。10kgの米や大容量の肉は、冷凍庫と消費ペースに収まるかを先に考えたほうが満足度が高くなります。
  4. 配送時期と「寄附した日」を確認する。年末は申込みが集中し、発送が翌年になる返礼品もあります。控除はあくまで寄附をした年の分として計算されるので、どの年の寄附として扱われるかは、自治体が発行する寄附金受領証明書に記載された日付で確認してください。
  5. 申込みは公式の入口から。総務省は、寄附金の詐取を目的とした偽サイトの存在と実被害を注意喚起しています。極端に安い必要寄附額、不自然な日本語、見慣れない振込先は要注意です。

「お得かどうか」が見えにくくなるのは、制度としては正常

ポイント禁止も、煽り表現の是正も、返礼品基準の厳格化も、向いている方向は同じです。ふるさと納税は買い物ではなく寄附の制度であり、返礼品は3割以下のお礼にすぎません。比較軸が「還元率」から「使い道と品物そのもの」に戻っていく、と理解しておくと迷いにくくなります。

控除の仕組みと「上限額」の正体

ふるさと納税の控除は3階建てです。総務省が示している計算式は次のとおりで、これはポイント禁止の前後で変わっていません。

控除の種類計算式上限
① 所得税からの控除(寄附額 − 2,000円)× 所得税の税率控除対象の寄附額は総所得金額等の40%まで
② 住民税からの控除(基本分)(寄附額 − 2,000円)× 10%控除対象の寄附額は総所得金額等の30%まで
③ 住民税からの控除(特例分)(寄附額 − 2,000円)×(100% − 10% − 所得税の税率)特例分の控除額は住民税所得割額の20%まで

①の税率には、令和19年中の寄附までは復興特別所得税分が上乗せされます。また③で使う所得税の税率は、住民税の課税総所得金額から人的控除差調整額を差し引いた金額で判定するため、①の税率と一致しないことがあります。細かい話ですが、シミュレーターの結果と手計算がわずかにずれる理由はここにあります。

自己負担が2,000円を超えるのはどんなときか

③の特例分が住民税所得割額の20%を超えると、①②③を合計しても「寄附額 − 2,000円」の全額は控除されません。このとき自己負担は2,000円を超えます。これが「控除上限額」の正体です。医療費控除やiDeCoの掛金など所得控除が増える年は住民税所得割額そのものが下がるので、上限も連動して下がります。住宅ローン控除がある年も、税額との兼ね合いで上限に影響することがあるため、シミュレーターで確認しておくと安心です。

ワンストップ特例と確定申告、手続きの実務

寄附しただけでは控除されません。会社員で確定申告が不要、かつ寄附先が5団体以内なら、ワンストップ特例が使えます。申請書は確定申告の代わりに、寄附をするそのつど、寄附先の自治体に提出します。1つの自治体に複数回寄附した場合は、原則そのたびに提出が必要です(自治体数は1団体と数えます)。

  • ワンストップ特例を使うと所得税からの控除は行われず、その分も含めた全額が翌年度の住民税から差し引かれます。還付金が振り込まれるわけではないので、6月以降の住民税決定通知書で確認します。
  • 申請後に氏名・住所などが変わった場合、法律上の期限は寄附した翌年の1月10日までに変更届出書を提出することです。申請書そのものの提出期限は法律には書かれていませんが、自治体は翌年1月31日までに住所地の市区町村へ通知を送る必要があるため、各自治体が受付の締切を設けています。締切は寄附先ごとの案内で確認してください。年末に寄附したら、年内に出し切るつもりで動くのが安全です。
  • 2022年(令和4年)中の寄附から、一部の自治体ではマイナンバーカードを使ったオンライン申請ができます。対応状況は寄附先の自治体に確認してください。
  • 6団体以上に寄附した人、自営業の人、医療費控除や住宅ローン控除1年目などで確定申告をする人は、確定申告で寄附金控除を申告します。期限は原則として寄附した翌年の3月15日までです。

ワンストップ特例が「なかったこと」になる4つのケース

地方税法は、①その年分の所得税について確定申告が必要になったとき、②住民税の申告書を提出したとき、③通知書を送った自治体の数が5を超えたとき、④通知書を受け取った市区町村が1月1日時点の住所地と違ったとき——のいずれかに当たる場合、申請はなかったものとみなすと定めています。①②に当てはまったら、その年の寄附はすべて確定申告書に記載し直してください。申請済みだから大丈夫、とはなりません。

数字で見る、いまのふるさと納税

  • 令和7年度の受入額は1兆3,314億円、件数は5,963万件(前年度は1兆2,727億円・5,879万件)。令和7年度(2025年4月〜2026年3月)はポイント禁止の適用開始(令和7年10月1日)をまたいでいるため、その前後の寄附の動きが混ざった数字である点に注意が必要です。
  • 令和8年度課税で住民税控除を受けた人は1,151万人、控除額は9,524億円。控除適用者は前年度の1,081万人から増えています。
  • 募集費用の合計は受入額の47.9%(返礼品の調達26.5%、送付5.7%、広報0.7%、決済1.5%、事務費等13.6%)。告示が定める上限は5割です。
  • ワンストップ特例の利用実績は令和7年度で4,254億円・2,201万件。件数ベースで全体の約37%にあたります。

まずは自分の上限を計算する

ポイントがない今、いちばん効くのは上限を外さないことです。ZaiTechの公開シミュレーターなら、年収と家族構成を入れるだけで控除上限額の目安がその場でわかります。ログインは不要です。

ふるさと納税シミュレーターを使う

この記事のTODO

  • ☐今年の見込み年収と家族構成で、控除上限額の目安を計算する
  • ☐住宅ローン控除・医療費控除・iDeCoを使う年かどうかを確認する(上限が下がることがあります)
  • ☐寄附先は使い道と返礼品の中身で選び、公式の入口から申し込む
  • ☐寄附先が5団体以内・確定申告不要なら、寄附のつどワンストップ特例の申請書を出す
  • ☐確定申告をすることになったら、その年の寄附をすべて申告書に記載し直す
  • ☐翌年6月以降の住民税決定通知書で、控除されているか確認する

一次情報は、総務省のふるさと納税ポータルサイト、税金の控除について、ふるさと納税の指定基準の見直し等(令和6年6月28日/ポイント付与の禁止)、ふるさと納税の指定基準の見直し等(令和7年6月24日/令和8年10月適用分)、ふるさと納税に関する現況調査結果(令和8年度実施)で確認できます。個別の事情に応じた税額の判断は、お住まいの市区町村の窓口や税理士にご相談ください。

⚠️ 免責事項

本診断の節税額・適用可否は、ご入力いただいたプロフィールに基づく一般的情報の簡易シミュレーションであり、税務上の助言・保証ではありません。実際の控除額・適用条件は所得・家族状況・各種制度の改正等により変動します。確定申告や具体的な節税の実行にあたっては、必ず国税庁の最新情報をご確認のうえ、税理士等の専門家にご相談ください。

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