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医療費控除は年末調整でできない|年末前に整理する領収書・保険金・通院費

2026-10-10 更新 ・ 約7分で読めます

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年末調整の書類を出しても、医療費控除は自動では反映されません。会社員も、適用を受けるには自分で確定申告をします。今のうちに支払いと保険金を整理しておけば、申告の時期に領収書を探し回らずに済みます。

最初に分けておくこと:控除額と還付額は別

医療費控除は、税金を計算する前の所得から差し引く「所得控除」です。医療費や控除額がそのまま返ってくる制度ではありません。所得税の還付は、既に納めた税額が再計算後の税額を上回る場合に生じます。源泉徴収などで納めた所得税がなければ、還付される所得税もありません。根拠:国税庁「還付申告」。

集計するのは、受診した年ではなく支払った年

対象は、その年の1月1日から12月31日までに実際に支払った医療費です。年末に受診しても支払いが翌年なら、原則として支払った年の分に入れます。本人の医療費だけでなく、本人が支払った、生計を一にする配偶者やその他の親族の医療費も対象になります。家族全員の領収書を無条件に合算するのではなく、誰が支払ったかも確認しましょう。根拠:国税庁「医療費を支払ったとき」。

「10万円を超えたら対象」には例外がある

医療費控除額は、対象となる支払額 − 保険金などの補填額 − 差し引く基準額で求めます。基準額は通常10万円ですが、その年の総所得金額等が200万円未満なら、その総所得金額等の5%です。控除額がマイナスになる場合は控除なし、控除額の上限は200万円です。総所得金額等は給与の額面年収とは異なるので、年収にそのまま5%を掛けないようにしてください。根拠:国税庁の計算式。

説明用の仮定計算医療費控除額
総所得金額等200万円以上、対象医療費20万円、補填額2万円20万円 − 2万円 − 10万円8万円
総所得金額等150万円、対象医療費9万円、補填なし9万円 −(150万円 × 5%)1万5,000円

上の表は国税庁の式を使った仮定の計算例で、還付額の例ではありません。後者のように基準額が10万円より小さくなる場合は、支払額が10万円未満でも控除が生じることがあります。実際の申告では、総所得金額等と対象費用を確かめてから計算します。

保険金は、その給付に対応する医療費から差し引く

入院費給付金や高額療養費など、医療費を補填する金額は差し引きます。ただし、差し引く上限はその給付の目的となった医療費です。給付金が対応する入院費を上回っても、余った分を別の通院費などから差し引く必要はありません。領収書と給付のお知らせをひも付けておくと、年の合計から一括で引いてしまう誤りを防げます。根拠:国税庁の補填額に関する注記。

レシートだけで決めず、治療目的と費用の種類を確認する

費用の例通常の医療費控除での扱い
医師・歯科医師による診療や治療対象。病状に照らして一般的な水準を著しく超える部分は除く
治療・療養に必要な医薬品対象。病気の予防や健康増進のためのビタミン剤等は対象外
治療を受けるために直接必要な通院費対象。電車・バス等の利用日、区間、運賃を記録しておく
タクシー代電車・バス等を利用できない場合を除き、対象外
自家用車のガソリン代・駐車料金対象外
健康診断の費用原則として対象外。例外の要件は国税庁で確認

対象範囲の根拠は国税庁「医療費控除の対象となる医療費」です。ドラッグストアのレシートだから全品対象、病院への移動だから全交通費対象、とまとめずに費用ごとに分けてください。

明細書を作成し、領収書は原則として保存する

領収書に基づく医療費控除の明細書を確定申告書に添付します。領収書そのものを全て提出する方法ではありません。領収書は、税務署から提出・提示を求められる場合に備え、確定申告期限等から5年間保存します。購入日から5年間という意味ではありません。根拠:国税庁「医療費控除に関する手続について」。

医療費通知を使う場合は、保存の条件が変わる

所定の項目を備えた医療費通知を添付する場合などは、対応する医療費の領収書保存が不要になる扱いがあります。ただし、マイナポータルの画面やPDFを印刷・ダウンロードしたものは、医療費通知情報の原本ではありません。その方法では該当する領収書の5年間保存が必要です。紙の通知、XMLデータの添付、画面の写しを区別し、利用する方法の条件を国税庁の手続案内で確認してください。

申告前に、ほかの控除との関係も確認する

  • ふるさと納税:医療費控除のために確定申告をすると、ワンストップ特例の申請は無効になります。申請済みの分も含めて、ふるさと納税の寄附を同じ申告に入れます。根拠:国税庁「ふるさと納税」。
  • セルフメディケーション税制:同じ申告者の通常の医療費控除との併用はできず、どちらかを選びます。申告後に更正の請求や修正申告で相互に切り替えることもできません。申告する前に対象費用と条件を比べます。根拠:国税庁「選択適用」。

今から申告までにすること

  1. 医療費の領収書を年ごとに分け、支払日・受診した人・支払先・支払額・支払った人を整理する。
  2. 通院の交通費を記録し、保険金や高額療養費の資料を対応する医療費と一緒に保管する。
  3. 年の支払額がそろったら対象費用と基準額を確認する。医療費通知だけに載っていない支払いがないかも見直す。
  4. 勤務先から受け取る源泉徴収票を用意し、国税庁の確定申告書等作成コーナーで明細書と申告書を作る。ふるさと納税をした人は寄附の資料も用意する。

申告書の作成には国税庁「確定申告書等作成コーナー」が使えます。確定申告の義務がなく、納め過ぎた所得税の還付だけを求める場合は、原則としてその年の翌年1月1日から5年間、還付申告ができます。ただし、期限内の申告が要件となる特例を使う場合などは扱いが異なります。「全ての申告を5年間待てる」という意味ではありません。根拠:国税庁「還付申告」の期限。

年末前の確認リスト

  • ☐支払った年と、申告に含める人の範囲を確認した
  • ☐治療費・薬代・通院費と対象外の費用を分けた
  • ☐医療費を補填する給付金を、対応する支払いにひも付けた
  • ☐控除額を還付額だと思い込んでいない
  • ☐領収書の保存方法と、医療費通知の利用条件を確認した
  • ☐ふるさと納税やセルフメディケーション税制との関係を確認した

この記事は2026年10月10日に確認した国税庁の案内に基づく一般的な制度説明です。費用ごとの対象可否や個別の申告判断は、税務署の相談窓口や税理士へ確認してください。申告時には、その年分の最新の手引きも確認しましょう。

年末調整と確定申告で確認する制度を整理

ZaiTechの節税診断で、医療費控除を含む制度の案内を確認できます。実際の申告額や対象費用は、国税庁の手引きで確かめてください。

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⚠️ 免責事項

本診断の節税額・適用可否は、ご入力いただいたプロフィールに基づく一般的情報の簡易シミュレーションであり、税務上の助言・保証ではありません。実際の控除額・適用条件は所得・家族状況・各種制度の改正等により変動します。確定申告や具体的な節税の実行にあたっては、必ず国税庁の最新情報をご確認のうえ、税理士等の専門家にご相談ください。

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